【人権が21世紀経済を支配する 分析☆その1】

soesan2008-08-25

http://www.telegraph.co.uk/telegraph/multimedia/archive/00790/china-ethnic-olympi_790987c.jpg

>まずこの写真をみていただきたい。
北京オリンピック開幕で行われた少数民族による中国旗の中国軍人への手渡し
>これが意味することは一体なんであろうか?
>これが意味する所は中国政府のオリンピック後の政治姿勢を世界に宣言する示威行動そのもの。
少数民族漢民族に吸収する。武力を使ってでも吸収する。
>独立は許さないという中国政府の意向が強く働いた演出でしょう。


8/15「日本のジャーナリズムってなに??」のエントリーでお伝えした危惧が的中してしまいました。

【社会】仏・ルモンド紙  8/22
・訪仏中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世は22日付の仏ルモンド紙のインタビューで、中国の軍隊が五輪開催中の18日にチベット自治区内で群衆に向けて発砲したと語った。
ルモンド紙が1面で掲載した記事の中で、ダライ・ラマは18日の発砲についてチベット東部のカム地方で起きたと説明。「中国側はいまなお群衆への発砲を続けている」と語り中国を強く批判した。3月のチベット騒乱以来、自治区のラサだけで400人が中国の軍に殺害され、1万人が拘束されたとも述べた。



☆そこから見える社会情勢をコミューン・プロスペクタス(社会情勢分析学)で分析してみたいと思います。

北京オリンピックに伴い日経・朝日・読売の3紙の社説にはおざなりな中国政府への人権配慮を憂慮する社説が書かれていました。
言葉は悪いですが「屁の役にも立たない」人権問題を提起する社説でした。
ただ、読売社説に気になる一文があったのでここから分析を始めたいと思います。

【社説】8/25 読売社説
共産党政権の正統性のよりどころである「経済発展」が担保できなければ、人心は離反し、社会不安は一層強まる。


欧州と中国の人権問題から端を発する過剰なまでの対立は背景に資源争奪があると以前のエントリーでお伝えしました。

まず、現在中国が支配する少数民族自治区の資源を見てみましょう。

内モンゴル自治区
 (石炭 石油 天然ガス)
ウイグル自治区
 (石炭 石油 天然ガス)
チベット自治区
 (リチウム 銅 ダイヤモンド 亜鉛)

そして労働人件費が安く抑えられるという利点もあります。
中国政府としては絶対に手放せない資源特区でもあるのです。
中国経済崩壊→中国共産党政府の終焉を意味します。

中国の諺に「食を保てない政府は滅びる」という言葉があります。

急成長に伴い過剰な消費をする中国にとって資源獲得は絶対命題になったのです。

(特にチベット自治区は水が豊富で、水がいずれ枯渇すると言われる首都・北京
いずれ遷都があるでしょう。恐らく水が豊富なチベット付近ではないでしょうか?水資源の豊富な日本にコキントウ政権が接近しているのは政治道理です。これらのテーマはいずれ後のエントリーで述べます 21世紀の日本経済は水商売(関連技術)が鍵を握ると読みます)


欧州諸国としては中国政府が支配する資源地域を獲得したい。(商売したい)
自分たちの得意とする人権・民主化を掲げて解放(資源の市場への解放)を迫るのは政治道理です。
中国政府が支配する地域の開放は他大陸で争奪を繰り広げている資源争いにも、有利に運びます。
中国政府は解放の連鎖(資源流出)を恐れ支配を強めています。


もちろん、欧米諸国には中国の人権問題の暴政を見過ごせば世界常識や市場経済が大混乱するという意識も大きいでしょう。
傍若無人の国が圧倒的な力を持てば世界の規律は失われます。
欧米諸国は中ロが世界の覇権を握ることは絶対に容認できないことなのです。

21世紀になっても冷戦構造は継続していると言っても過言ではないでしょう。


一方、中国政府も世界的に非難される人権問題に手を拱いていたわけではありません。

【社会】WEDGE 9月号
・中国政府は経済発展の恩恵さえ与えれば少数民族の不満を解消できると思っていた。90年代末に「西部大開発」と呼ばれる大規模な開発政策を実行し、その象徴的な存在として2006年7月1日青海チベット鉄道が完成した。(一部省略)


しかし、これらの中国政府政策の思惑は破綻します。
人権意識が遅れている中国政府は中国人向けの政策をしてしまったのです。

つまり、「金とか物やるからそれでいいじゃん」

その国の文化保護や言語や歴史や生活風習などを大事にする事が【世界的人権保護】になるとは考え及ばなかったのです。

皮肉にもこの政策は中国人民に効果が出てしまいました。
聖火リレーでなぜあれだけ中国人がナショナリズムに燃えたのか?
海外にいる情報がある中国人でさえ中国政府の味方をした。

これには疑問を感じた方が大勢いたと思います。
中国通の部員に中国の庶民内情を聞いたところ非常に道理な実情が聞く事ができました。

聖火リレーナショナリズムには中国が抱える複雑な経済問題が絡んでいたのです。

。。明日のエントリーに続く。。