*【イスラム】イラン アラグチ大使インタビューを分析☆その2
昨日の続き【FEC】月間ニュースより引用。
アメリカとイラン(中東諸国)の今後。
アラグチ大使=○
質問者=△
ハラマキ感想=☆
【FEC】 2008 280.281合併号
△松尾国際石油開発会長
米大統領選のイランへの影響はどうか。イランはイラクのクルドへも影響力はあるのか。
○アラグチ大使
イラン国民の米国不信は大きく米国は現実を直視しイラン政策を転換すべきだ。
イラク情勢でも、イラクの要請からイラン・米国対話が始まった。
イランはシーア派以外にもクルド、穏健スンニー派と良好でイラク・マリキ政権を支持する点で米国と同一見解だ。
☆ハラマキ
アラグチ大使の発言から伺えるのは「アメリカ型覇権」は終わりというニュアンスです。特に中東諸国における覇権はイランが先頭を切って担うという感じを受け得ます。
アラグチ大使が連呼する言葉があります。
「(中東)地域で一番の大国になること」
明らかにイスラエル(と、アメリカ)を意識した発言です。
○アラグチ大使
イスラエルとイランは中東の二大学術・科学大国だが、地位はイスラエルが低下しイランは上昇中。
日本が安保理常任理事国を目指すにはより大きな【リスク】の覚悟が必要。
日本は米イ両国と友好的で利点だ。
略
地域で一番の大国になるにはまだ経済・学術分野で多くの努力が要ります。
☆ハラマキ
アラグチ大使が言う【リスク】とはなんでしょうか?
将来的に日本が中東諸国かイスラエル(アメリカ)を選択せねばならない危急の事態が起こるという示唆でしょうか?
その時、日本は資源確保を念頭に置き考え行動しなければなりません。
一極支配をしていたアメリカの弱体化は世界の多極化を必然的に招きます。
アラグチ大使は中東諸国への将来についても言及します。
△国際評論家・花井喜六
両隣のアフガニスタンとイラクの治安情勢が安定しません。
○アラグチ大使
アメリカの間違った政策の結果、両国はテログループの天国となりました。
テロの根本的原因はアメリカの極端なイスラエル支援にある。イラクでは大量破壊兵器を口実に侵攻したが、原油の確保が目的と分かった。
アフガンでは若者の多くが失職し、テログループに流れている。
もっと両国の経済改善に目を向けるべきです。
△国際評論家・花井喜六
昨年9月、イスラエルがシリアの核関連施設を爆撃しました。貴国の核関連施設も爆撃されるといううわさが流れていますね。
○アラグチ大使
シリアは何の反応を示していません。
同じことをイランに仕掛けたら、強い反撃を受けるでしょう。
イスラエルにはイランを爆撃する力はありません。
アメリカもイスラエルにイラン爆撃の許可を与えないでしょう。
△国際評論家・花井喜六
貴国とアメリカは1979年以来国交断絶を続けています。
打開のための交渉の可能性は?
○アラグチ大使
相互尊重と平等を条件に対話するなら、全く問題はありません。
アメリカはイラン共和国の存在を【地域の現実】として認めるべきです。
われわれの対米不信は根深いものがあります。
1953年のクーデター事件(石油産業を国有化したモサデク政権の転覆をCIAが援助した)以来、米国は絶えずイランに攻撃的な政策を試みてきた。
サダム(フセイン)のイラン攻撃への支援や(イランへの)経済制裁です。
日本はアメリカが中東情勢を正しく理解するように手助けしてほしいです。
☆ハラマキ
花井氏の鋭敏な質問にも答えるアラグチ大使。
特にイスラエルへの対応には「シリアとは格が違うぞ」というメッセージも含まれていると思えます。
そして、CIAによるイラン政権への工作
http://d.hatena.ne.jp/soesan/20080820
私のブログエントリーでお伝えした「カーミット・ルーズベルト」に始まる
アメリカCIAの金か死か選ばせる。軍事力を極力使わずに「プラタ・オ・プロモ(銀か鉛)」国内の暴動・デモ扇動、時の権力者のメディアを使った無能批判など。
(ちなみにカーミット・ルーズベルトはセオドア・ルーズベルトの孫
その情報は現在でもほとんど公に知られていない。
アメリカエージェント史上に残る伝説のエージェント)
イランの将来へのビジョンは明確になっていると思われます。
資源パワーを元手に技術立国となり中東地域の覇権を握る。
即ち、それはイスラエルとの対決を意味します。
資源・核・技術を備えた国を大国と言わずして何と言うのでしょうか。
サウジ、アフガン、イラク、シリアなどの中東諸国との連携を深めていくイラン。
永年、複雑な部族構成や宗教観や利害により一致団結できなかったイスラム中東諸国が皮肉にもアメリカやイスラエルの敵対政策の過度により歴史的に初めてと言ってもいい、巨大な中東連合が出来ようとしています。
アメリカの弱体化により世界は多極の時代を間違いなく迎えました。
つまり、【世界戦国時代】に突入したのです。
この事をいち早く日本のメディアは伝えるべきなのですが・・・・・
資源もない、核もない、技術しかない日本がこの先、どう立ち回るか。
若く強く聡明なリーダーを望むのは何もアメリカ国民だけではないでしょう。
日本も日本人も【CHANGE】の時期が迫っています。