香港で出前一丁が大人気


香港人は「出前一丁」がお好き?
11月12日8時52分配信 Business Media 誠



さまざまな種類の出前一丁が並ぶスーパーの棚。写っていないが、カップ入りタイプも隣の棚にたくさん並んでいる

 「香港の『出前一丁』はスゴイらしい」――記者がその噂を初めて聞いたのはいつのことだったか。何がどうスゴいのか分からないまま数年が過ぎてしまって今に至るのだが、今回の香港出張で、その“スゴさ”の片鱗に触れることができた。本記事では、香港における出前一丁についてご紹介したいと思う。そう、香港の出前一丁は確かにスゴかったのだ。

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●スーパーの乾麺コーナーを出前一丁が埋め尽くす?

 外国に行き、そこに住む人々の舌の趣向を知りたければ、まずはスーパーマーケットに行ってみるのが近道だ。麺好きな香港の人たちは、普段どんなインスタントラーメンを食べているのか。ある大手スーパーに行ってみた。

 そのスーパーで乾麺が置かれているコーナーには、背が高い棚が全部で3列並んでいた。各国産のインスタントラーメンや日本製のカップ入りはるさめヌードルだけでなく、米線や麺線、海老麺など中国独自の乾麺もさまざま並ぶコーナーである。

 棚が3列ある乾麺コーナーで、そのうちの1列分以上を「出前一丁」が埋め尽くしていたのだ! 袋麺だけでなく、カップ入りの出前一丁もあるし、サイズが小さいものや大きいもの、「生麺」と書かれたちょっと高級そうな商品などさまざまだ。

 袋入り麺もよく見ると、おなじみのノーマルタイプはごく一部で、驚くほどバリエーションが豊富である。シーフード味で辛いもの、海老味らしきもの(「鮮蝦麺」とある)神戸風(なぜかテリヤキ味)、札幌風(味噌ラーメンだろうか?)、サテー味などなど……日本では見たことがないようなカラフルな出前一丁の数々に驚かされた。

●モーニングセットでも出前一丁

 驚きはそれだけでは済まなかった。おいしいと評判の粥専門店、上環の「生記粥品専家」へ、朝食を食べに行ったときのことだ。

 記者は粥を注文したのだが、ふと隣にあった「精選早餐」(モーニングセット)と書かれたメニューに気が付いた。一番上に載っている「Aセット」(21香港ドル=273円)の内容は、サンドイッチに目玉焼き、そして汁麺となっている。麺は3種類から選ぶことができ、その1つは「出前一丁麺」となっていた。

 こういったセットメニューは朝食以外でも楽しめる。「茶餐廳」と呼ばれる店では大抵、麺類や丼物と飲み物を組み合わせたセットメニューを用意しているが、よく見ると「麺類を出前一丁にした場合は3ドル増」などと書かれている。「3ドル高くなっても出前一丁を食べたい」という香港人が少なからずいるのかと思うと、なんとなくうれしくなってしまうから不思議だ。

●火鍋の〆にも出前一丁

 朝、麺粥屋で出前一丁。午後は茶餐廳で出前一丁。「出前一丁香港人の生活に溶け込んでいるのだなあ」と感心していたら、驚きは夜にも待っていた。

 香港2日目に夕飯を食べに行ったのは、最近人気だという灣仔(ワンチャイ)のおしゃれな火鍋屋「美味廚 Megan's Kitchen」。白を基調とするきれいな店内には若いお客が多い。2つに仕切られた鍋の中身は、片方は干しエビや貝柱でとったオーソドックスなスープだが、もう片方はなんとタイ料理のトムヤムクン味。白く泡立ち、上に茶色い粉が振ってあるのでその名も「カプチーノ鍋」という面白くておしゃれな鍋だった。

 そんなおしゃれな火鍋をおなかいっぱい食べた最後のこと。日本の鍋なら「雑炊にしますか? うどんにしますか?」というタイミングで店員さんがしずしずと持ってきたのはやっぱり「出前一丁」。しかも粉末スープ付きだ。トムヤムクン味の火鍋に入れて食べた出前一丁は、つるつると懐かしい味がした……。

●なぜ香港で出前一丁が人気なの?

 朝食から夕食まで。香港人にこれだけ出前一丁が愛されているのはなぜなのか? 日本にはほかにもたくさんのインスタントラーメンがあるのに……不思議に思い、日本に戻ってから、日清食品に取材してみた。

 「はい、香港(のインスタントラーメン)では出前一丁がトップシェアです。種類はかなり頻繁に入れ替わるのですが、袋麺だけで常時10種類以上はあります」(日清食品広報部)。なるほど、スーパーで乾麺コーナーの棚を占拠していたのはダテではなかったのだ。いったいいつごろから香港では出前一丁が販売されるようになったのだろうか?

 「(香港への輸出は)1980年代からです。日本製の袋入りインスタントラーメンとして初めて登場したのが『出前一丁』でした。日本からの輸入品ということで高級感があると感じてもらえたようです。また当時、湯かけタイプではなく、煮込みタイプなことも『おいしい』と評判になったそうです」(同上)

 ちなみに出前一丁の袋に印刷されているキャラクター「出前坊や」は、香港では「清仔(チンチャイ)」と呼ばれて非常に人気があり、キャラクター商品も各種販売されている。記者も香港で出前坊やが大きくプリントされたバスが走っているのを見かけたことがある。

 「香港で出前一丁が愛されている理由は、上記の『煮込みタイプでおいしい』ということと、清仔人気が大きな2つといえると思います」(同上)

 日本でもおなじみの商品が外国で根付いているのを見るのはうれしいもの。日本よりもさらに愛されているとなればなおさらだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081112-00000014-zdn_mkt-bus_all

なんだか、癒されました。
香港人は「中国人じゃなく、香港人だ」というほど独自性を持っています。
スーツの着こなしがお洒落で思考もドライだけれど中国的なドライではない。
個人的にはフランス人っぽいかなーなんて思ってます。
押井守作品の近未来って香港がモデルなんじゃないかなーとか思ったり。
オフショア金融業界で世界のマネーが入り乱れる一方、雑多な繁華街が裏通りにあったり。
たまらない人にはたまらないシチュエーションじゃないかと。

そんな香港人出前一丁が好きなんてなんだかなんだか癒されました。