【グレートゲーム】第三次世界大戦【パイプライン】

soesan2008-09-05

我がブログの知性溢れる皆さん コンニチワ 腹巻です。


気温が下がると夏が遠ざかるのを淋しく思い、暑くなれば夏を鬱陶しく感じてしまうツンデレ状態の腹巻です。
我がブログの読者の皆様もお体にはご自愛ください。


さて、国内では自民党の総裁選が大盛り上がりですが(自民党はこういう祭り的な盛り上げ方が本当に上手い)世界情勢は緊迫の度合いをさらに高めています。

まずは、オープンソースから新冷戦構造の推移をご覧ください。

【国際】2008/09/05 日経新聞
・英BP、ロシア合弁のCEO交代を容認 ロシア側株主と和解
石油メジャーの英BPは4日、折半出資するロシア石油大手TNK―BPの経営問題で、ロシア側株主と和解したと発表した。ロシア側が求めていたダドリー最高経営責任者(CEO)の退任を容認するなどBPが譲歩した。将来的にロシア側が経営権の取得などを追加要求する可能性はなお残っている。

BPとロシア側株主は同日、基本合意書を交わした。TNK―BP経営陣の承認を前提にBPが新CEOを任命することに加え、経営委員会メンバーを現行の14人から大幅に削減することなどを含む。いずれもBPの影響力を大幅に低下させかねない内容だ。

http://www.nikkei.co.jp/kaigai/eu/20080904D2M0402T04.html

☆BPはイギリスの大手石油会社です。新冷戦構造の重要なポイントなので覚えておいてください。
今回のこの騒動はTNK−BP(ロシア側)が本丸のBP(イギリス側)を外し構造的には独立行動しようという意味合いが含まれています。


【EU】時事通信
・英が強硬論、調整難航も=制裁見送りへ−EU緊急首脳会議

欧州連合(EU)は1日、当地で緊急首脳会議を開始した。ロシアによるグルジア
侵攻や南オセチア自治州アブハジア自治共和国の独立承認について、対応を
協議する。ロシアに対する厳しい制裁措置は見送り、議長総括に非難の文言を
盛り込むだけにとどめる見通しだが、一部加盟国の間では制裁論も根強く、調整が
難航する可能性もある。

ブラウン英首相の報道官は首脳会議に先立ちロンドンで「EU・ロシア間のパートナー
シップ協力協定(PCA)の後継協定をめぐる交渉を停止すべきだ」と語った。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008090100457


☆EU・米 対 ロシア の新冷戦構造でイギリスが一番強硬派です。
ドイツ・フランスはロシアにエネルギー依存していることもあり融和派です。

アメリカも新冷戦構造においては動きが活発です。


【国際】 日経新聞
米副大統領、アゼルバイジャン大統領と会談 ロシアをけん制

・チェイニー米副大統領は3日、旧ソ連アゼルバイジャンの首都バクーを訪問した。副大統領はアリエフ大統領のほか、米シェブロンなど現地に進出している西側の石油会社首脳らと会談。
ロシアがグルジア侵攻をきっかけに隣国のアゼルバイジャンの石油利権にも
影響力を及ぼそうとしていることをけん制し、同国を米側へ取り込む姿勢を鮮明にした。

さらに、副大統領はアゼルバイジャン産石油をグルジアを経由して欧州に輸出する
「ロシア迂回(うかい)ルート」を米国が全面的に支援する立場も明らかにした。
(09/04 07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080904AT2M0303403092008.html

☆はっきり言ってしまえばブッシュ大統領はもはや後はシラネの隠居状態。
チェイニー副大統領は様々なコネクションを持つ人物です。

ディック・チェイニー
アメリカの企業ハリバートンの経営にも1995年 - 2000年までCEOとして参加していた。ハリバートンは、世界最大の石油掘削機の販売会社であり、湾岸戦争イラク戦争で巨額な利益を得た。チェイニーはまた、この会社の最大の個人株主でもある。
wikiより引用


☆そうです。チェイニー副大統領もまた「資源支配側」にいる人間なのです。
ここまで見ると、ロシアが強気の姿勢で欧米諸国をねじ込んでるようですが以前もお伝えしたとおり【戦争】とはなにも「武力」だけを使うものではありません。
誰が仕掛けてるのかは憶測にすぎませんがロシア市場にも【経済弾丸】が届いているようです。

http://www.rts.ru/en/index/rtsi/
08/09/05
ロシア株式市場のグラフです。
見てのとおりの急激な下降線です。


グルジア・ロシア紛争において、強硬措置も辞さないイギリス、意地でも居座るロシア。
これにはお互いに絶対に譲れない国益と国防を懸けた意味があります。

以前のエントリーでお伝えした資源輸送パイプライン

グルジアにあるカスピ海産の石油ルート通称・BTCパイプラインはロシアを経由せず地中海に搬出することができます。

B(バクー油田 アゼルバイジャン

T(トビリシ  グルジア首都)

C(ジェイハン トルコ)


このパイプライン建造構想の頃に話は遡ります。
全ての因縁はここから始まりました。
互いに譲れない国益がぶつかればそれはもはや、【武力戦争】で勝負しなければならなくなる。
その前に、相手のカードを削り、自分のカードを増やしていく必要がある。
【戦争】はすでに開始されていると見て間違いないでしょう。

第三次世界大戦は石油から火が上がる。


明日はイギリス・ロシアの互いに譲れないパイプラインの経緯を分析します。

続く・・・・・